FUJITO


            

    


     出演者          前シテ(主役)・・・・・・・老婆  
                   後シテ・・・・・・・・・・漁師の霊
                   ワキ(シテの相手役)・・・・・・・・・・・・佐々木盛綱
                   ワキツレ(ワキの助演者)・・・・・・・・・徒者
                   アイ・・・・・・・・・・・・・・盛綱の下人

     舞台となった場所・・・・・備前国児島(岡山県倉敷市藤戸)


 源平の戦いのうち佐々木盛綱は頼朝より藤戸周辺の土地を与えられ、領主となりました。

 まずは、領民の訴えを聞いてみると老婆が現れ「漁師である自分の息子が盛綱に殺された」

と訴えて来ます。盛綱は隠し切れず、藤戸の合戦の際その漁師に渡れるほどの浅瀬があるかを

聞き出した後、他の武将にも言わない様にと殺した事を語りました。

 老婆はひどく悲しみ自分もここで殺してくれと迫ったが、盛綱は反省し、老婆に謝り下人に

送るよう命じました。哀れんだ盛綱は、漁師の法要を営んで自らも読経していると漁師の亡霊が現れ

自分は殺されたのに盛綱はほうびを授かった不条理を訴えました。

 自分が殺された時の様子を再現して、恨みを晴らそうと思っていたが思わぬ法要を受けて

成仏出来た事を告げてあの世へ帰っていきました。

 平家物語の様に、歴史は権力者の目から見た物語が描かれている為浅瀬を教えてくれた漁師を

殺す事は当然の様にサラッと描かれているが、この曲目は、殺された漁師をよみがえらせる等読む側の

要請に答えた曲といえます。庶民の反抗を描いた物はこの曲目だけです



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