FUNABASHI                                            

         



 出演者          ワキ、ワキツレ・・・・・・熊野の山伏
              前シテ、後シテ・・・・・・男、男の霊
              ツレ、後ツレ・・・・・・・女、女の霊
              アイ・・・・・・・・・・・里の者

                 
                 
舞台となった場所      上野の佐野
(群馬県高崎市佐野)

 

  熊野の山伏達が平泉(現在の宮城県)へ向かう途中、上野(こうづけ)の佐野を通りかかりました。

 そこで橋を創る為に寄付を募っている男女と出会い、佐野の船橋の謂れを聞いているうちに

 万葉集にある「東路の佐野の船橋
とりはなし親し離くれば妹に逢はぬかも」の歌について

 「取り放し」か「鳥は無し」どちらなのかと尋ねるのでした。すると男は歌にまつわる話と

 しては、昔恋人に逢う為に人目を忍んで夜な夜なこの橋を渡っていた男があったが、それを嫌って

 いた二人の親はある晩その橋板を二、三間
取り放してしまいました。男はそんな事とは全く知らずに

 その晩も向こう岸に居る恋人の元へと橋を渡ったところ踏み外して川に落ちて死んでしまったのでした。

 そしてまた女も男の元へと橋を渡ってしまい同じく川に落ちて死んでしまいました。

 私達こそその男女であると告げるのでした。

  ここはただ夕暮れの鐘が鳴り響くばかりで確かに
鳥は無し・・・・。男女は弔いを願って空へと

 消えて行きました。

  山伏は里の者に先程の話を詳しく聞き、その晩哀れに思い成仏して欲しいと祈っていると

 男女二人の亡霊が現れました。女は救いを感謝するが、男は山伏に今も成仏出来ないでいる

 苦しみを訴えると懺悔
(ざんげ)にと昔の出来事を再現するよう促すのでした。

 男は恋人に逢える喜びの中、親の手によって取り放された橋間を踏み外して川の底へと

 沈んで行った無念さ等を語り、やがて山伏の法力によって成仏して行く事が出来ました。
  


 




     

                                                             
                           
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