
YOUROU

出演者 ワキ・・・・・・・勅使
ワキツレ・・・・・徒者
ツレ・・・・・・・若い樵夫(キコリ)
前シテ・・・・・・老人の樵夫
アイ・・・・・・・里人
後シテ・・・・・・山神
舞台となった場所 美濃国、養老の滝(岐阜県養老郡養老町)
ある初夏の事。都に美濃国本巣の郡(もとすのこおり)で霊泉が湧き出たと言う知らせが入り
雄略(ゆうりゃく)天皇は勅使を霊泉の出る養老の滝へ行くよう指示をしました。
勅使一行は滝の付近で樵夫の親子に出会ったので、この滝に養老と名付けたいわれを
尋ねてみました。すると、この2人こそ霊泉を見付けた親子であり、親孝行の徳がむくわれて
この滝の霊泉を受けられた事・この水を飲むと心が爽やかになり疲れも取れて、
若返ったので養老と名付けたと語りました。続いて勅使を滝壷に案内した老人は
霊泉を誉め、他の霊泉の例を挙げつつ尚もこの滝の水を誉めるのでした。
全てを見聞きした勅使はこれに感動し、急いで都へ帰り天皇に報告しようとした時
不思議にも天から光りが降り注ぎ、美しい音色が響き渡り、花がヒラヒラと散りだし
辺りはこの世と思えない程の様子となったのです。
樵夫の親子が立ち去ると里人が現れて養老の滝のいわれを語り、滝の水を飲んで見せると
たちまち若返るのでした。
すると養老の山神が現れ、清らかな滝の水をたたえて神仏同体である事を述べて
吹き渡る風や、川を流れる水の音を伴奏に舞を舞います。そして、泰平の世をたたえ
祝福して神の国へと戻って行くのでした。
神の出る能では前場にその神の化身が登場すると言うのが通常であるが、この能は
現実の親子としたところが珍しい構成である。後に登場した山神は位の高い神ではなく
荒々しい山の神という事で、野趣あふれる機敏な神舞を舞うのである。
当時はこの話しが大きな話題となって年号を霊亀(れいき)から「養老」と
改元された程であり、世阿弥は老人の能を作る時はこの曲目を基本として
作るようにと記している。
滝の水は不思議な水とされており「疲れが取れて若返る」と、何とも素晴らしい
効能があるが現在でもそんな滝が何処かに存在したならば薬品会社が殺到する事
間違いなしであろう。しかし、その水はお酒なのではないか?という考えもある。
もしお酒であれば、年末の忘年会時期ともなれば沢山の陣取り用ビニールシート
で滝壷は真っ青に埋めつくされる事でしょう。
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